ケータイFlashの概要について

By ookura - 08/11/14 - このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをFC2ブックマークに追加

今回よりケータイFlashについて説明していきます。
 
ここ数年でケータイFlashを見かける頻度が高くなってきました。
待ち受けやミニゲームなどのコンテンツは以前からありましたが、最近はデコメ素材に使われることもあります。
中でもサイトのナビゲーションとしてケータイFlashを使う手法が出てきています。
各キャリアのトップメニューやデザインを意識した企業のトップページでよく見かけます。
最近のリッチコンテンツ化の流れから今後ケータイFlashサイトを制作する機会は増えてくるものと思われます。
 
 


HTMLサイトとの違い

ケータイFlashを作るにあたって、Flashでできること、HTMLでないとできないことを知っておく必要があります。
HTMLサイトとの違いは以下の通りです。
 
・HTMLサイト
 ・デザインの表現に制約があります。
 ・キャリアによって使えるタグに違いがあるため、同じデザインで表示するのは難しいです。
 ・画面遷移時に毎回読み込みが発生します。
 ・インタフェースが統一されているのでユーザーに混乱を与えません。
 ・ページを遷移して戻っても入力したデータは残ります。
 ・ファイルサイズの制限は比較的少ないです。
 
・Flashサイト
 ・デザインの自由度が高いです。
 ・キャリアやブラウザが異なっても比較的同じように表示できます。
 ・一つのswf内に埋め込まれていれば再読み込みなしに画面の遷移が可能です。
 ・インタフェースが自由な分、ユーザビリティに注意が必要です。
 ・ページを遷移して戻ると入力したデータが消えてしまいます。
 ・端末によってはファイルサイズの制限が厳しい場合があります。
 ・端末やファイルサイズ、ベクターやアクションの複雑さによって処理が重くなる場合があります。
 ・HTMLサイトと比べて更新に手間がかかります。
 
 


FlashLiteの表示モード

Flashをサイトに使用する場合、以下の2つの再生モードがあります。
・インラインモード
 ・PCサイト同様にHTML内にタグを記述し、ページの一部としてFlashを表示させます。
 ・HTMLタグで指定したサイズで表示されます。
 ・キー操作が受け取れません。
 ・サイトのパーツとしての用途で使用することになります。
 
・インタラクティブモード
 ・直接SWFファイルにアクセスします。
 ・端末画面に合わせて縦横比固定で自動的に拡大・縮小されます。
 ・キー操作が有効になります。
 ・フルFlashサイトやゲームとしての用途で使用することになります。
 
 


FlashLiteでの操作方法

ケータイFlashはPCのFlashと違ってマウス操作ができません。
ですのでマウス関連のアクションは基本的に使用できません。
 
ケータイFlashでの操作は主に十字キーとテンキーのみになります。
 
 


Flash Liteのバージョンについて

ケータイで再生できるFlashには以下のバージョンがあります。
キャリアによって採用しているバージョンが異なっています。

DoCoMo au Softbank
Flash Lite 1.0
Flash Lite 1.1
Flash Lite 2.0
Flash Lite 3.0

※スマートフォンの場合はPC用Flashを採用している場合があります。
 
各バージョンは上位互換性がありますのでFlash Lite 2.0が搭載されていればFlash Lite 1.1向けのFlashも動作します。
 
 
各バージョンの概要は以下の通りです。

Flash Lite 1.0

・FlashLite黎明期にDoCoMo端末で採用されました。
・Flash Player 4相当。スクリプト文法が古く、パスの記述方式など現在のものと大きく異なります。
 

Flash Lite 1.1

・外部テキストやSWFファイルのロードが可能です。
・ダイナミックテキスト・テキスト入力がサポートされました。
・電波状況や電池容量などの端末固有の情報が取得できるようになりました。
・Flash Player 4相当です。
 

Flash Lite 2.0

・外部XMLのロード・解析が可能です。
・外部画像の読み込みが可能です。
・Flash Player 7相当。ActionScript 1.0/2.0に対応し、スクリプト文法がPC用Flashとほぼ同じになりました。
 

Flash Lite 3.0

・Flash Player 8相当。ActionScript 1.0/2.0に対応しています。
・FLV再生に対応しています。
 ※DoCoMoのFlash Lite 3.0ではFLVの再生はサポートされていません。
 
 


どのバージョンで作成するか

上記のように次々と新しいバージョンが採用されている訳ですが、PCブラウザと異なり、ケータイブラウザはFlashのバージョンアップができません。
ですのでユーザーの買い替えタイミングを考慮し、アクセスシェアの推移を考慮して制作するバージョンを決定する必要があります。
 

Flash Lite 1.0

対応端末が少なく、ファイル容量制限も厳しいので切り捨てた方がよいです。
 

Flash Lite 3.0

最近リリースされたばかりなのでシェアが少ないので今からリリースするサイトに使うには厳しいです。
 

Flash Lite 2.0

最近続々とシェアを伸ばしており、3.0対応端末も含めると全体の半分程度のアクセスシェアがあります。
但し大半の端末をカバーできるようになるまでにはあと1年程度はかかると予想されます。
Flash Lite 2.0でしか使えない機能を使う必要があり、Flash Lite 1.1ユーザーを切り捨ててもよいという場合はこちらを選択する手もあります。
 

Flash Lite 1.1

Flash Lite 1.1対応端末は現在サイトにアクセスしている端末の約85~90%を占めています。
大半の端末をカバーできますので、Flash Lite 1.1で作成するのが現状ではベストな選択肢と言えます。
ただし、スクリプトの文法が古い、使用できる機能に限度があるなどの問題がありますので数年後にはFlash Lite 2.0メインで開発することになるでしょう。
 

Flash非対応機種

Flashサイトを作成するにあたって、サイトの機能的にFlashが必須の場合を除いて、Flash非対応端末やバージョンの関係で切り捨てた端末でアクセスした場合もHTMLで同等のページを表示させるなどの配慮が必要です。
そのため、端末情報を公式サイト等で取得し、端末のFlash対応状況を元に判別してHTMLページを表示できるようにしておく必要があります。
 
 


参照URL

FLASH – サービス・機能 – NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/flash/
KDDI au- マルチメディア・コンテンツ – Flashコンテンツ
http://www.au.kddi.com/ezfactory/mm/flash01.html
Softbank MOBILE CREATION – Flash
http://creation.mb.softbank.jp/flash/index.html
Flash Lite 1.0-1.1メモ
http://www.saturn.dti.ne.jp/~npaka/flash/lite10/index.html
Flash Lite 2.0-3.0メモ
http://www.saturn.dti.ne.jp/~npaka/flash/lite30/index.html
 
 


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