SEOと言えば、キーワード出現率(少し古いですね。。)であったり、タイトルの付け方であったり、サイトの階層であったりと様々な対策が紹介されています。なかでも一般的に最も重要であるとされ、盛んに議論されているのは「被リンク」の獲得です。リンクされるという事はリンク元のページから支持される事と同義だという考え方は直感的にも理解しやすいのではないでしょうか。現時点では、質の高い被リンク獲得がSEOに効果的である事は疑いようのない事実だとさえ言えます。
被リンクは受身?
確かに「被リンク」は重要です。ですが、SEOを実施した事のある方はご存知でしょうが、「被リンク」を増やすと言う事はそう簡単な事ではありません(もちろん有料リンクやリンクファームなどは論外です)。リンクの中でも自然発生的に生まれたリンクを検索エンジンは好みますので、サイト運営者は、リンクをしてもらおうと、魅力的で有用なコンテンツを用意する必要があります。それでも、リンクされるかどうかは相手次第です。この部分で被リンク獲得とは「受身」であるとは言えないでしょうか。では、もっと積極的・能動的な対策は出来ないかと考えてみます。
相手の事を知ることが大事
そもそも、SEOとは「Search Engine Optimization」の略語であり、文字通り「検索エンジンに対してページを最適化」する事です。これは「検索エンジンの使うアルゴリズムに最適化」することを意味しています。被リンクが重要だと言う根拠も、検索エンジン最大手であるGoogleが「PageRank」という「被リンク」を重要視するアルゴリズムを採用している事が広く知られているからに他なりません。検索エンジンに最適化させようと思う際、そのアルゴリズムが解らなければ対策のしようがないのではないでしょうか。「敵を知り己を知れば」です。では、検索エンジンが利用しているアルゴリズムを簡単に(本当に簡単にですが。。)見ていきいましょう。
※注
検索エンジン事業者は基本的に内部で利用しているアルゴリズムの詳細を公開しません。検索エンジンの利用するアルゴリズムは実に複雑で、実際には各社独自の基準でアルゴリズムが追加されているでしょう。ここからはいくつかの公式な情報を元に、推測されるアルゴリズムの一部を解説する事が目的であり、実際の検索エンジンのアルゴリズムを解説するものではない事を、予めご了承ください。
PageRankについて
Googleなどで採用されているとされるアルゴリズム。
現在では多くの検索エンジンが部分的にはこの考え方を採用しているとされている。
良質な被リンクを多く集めているページを高く評価する。(下記Googleから引用)
“PageRank™は、Webの膨大なリンク構造を用いて、その特性を生かします。ページAからページBへのリンクをページAによるページB への支持投票とみなし、Googleはこの投票数によりそのページの重要性を判断します。しかしGoogleは単に票数、つまりリンク数を見るだけではなく、票を投じたページについても分析します。「重要度」の高いページによって投じられた票はより高く評価されて、それを受け取ったページを「重要なもの」にしていくのです。 ”
“こうした分析によって高評価を得た重要なページには高いPageRank™(ページ順位)が与えられ、検索結果内の順位も高くなります。 PageRank™はGoogleにおけるページの重要度を示す総合的な指標であり、各検索に影響されるものではありません。むしろ、PageRank™ は複雑なアルゴリズムにしたがったリンク構造の分析にもとづく、各Webページそのものの特性です。”
HITSについて
「Hyperlink-Induced Topic Search」の略。
Yahoo!(YST)などで採用されているとされるアルゴリズム。
「authority」と「hub」というスコアを持つ。多くのリンクを集める信頼できるページでは「authority」スコアが上がる。「authority」スコアの高いページへ数多くリンクしているページは、有用な情報を見つけるために役に立つとされ「hub」スコアが上がる。こうして導き出された二つのスコアを合わせてページの評価を決定する。
Block-level Link Analysisについて
MSNなどが採用しているとされるアルゴリズム。
ページ単位のランクだけでは無く、ページ内をブロックに分割して評価し、前後の文章からどういった流れでリンクされているかを評価する。どれだけ関連性の高いブロックからリンクされるかが重要となる。そのため、ひとつのページに複数のコンテンツがある場合でも比較的正確にキーワードを判定できる。
手軽にできる積極的なSEOとは
いくつかのアルゴリズムをご紹介してきました。これらのアルゴリズムからは様々な事が読み取れますが、「HITS」に注目する事で今回の結論として導き出された「お手軽」かつ「積極的」な対策とは、
というものです。リンクされるのを待つのではなく、自分から積極的にリンクしていこう。つまり「HITS」で言うところの「hub」を目指そうと言う考え方です。自分の管理するサイトと同じジャンルで、且つ評価の高いサイトへ、そのサイトが如何に有用であるかの説明と共にリンクを張る事で、その「ジャンルに関する情報の到達へ役にたつサイト」という評価が得られるかもしれません。
まとめ
今回ご紹介した方法は検索順位を上げる確実なものではありません。「hub」として評価される事が検索結果上位へ表示される事と関連があるかは正直わかりません。ですが、ユーザーから見てたくさんの「authority」ページの情報がよくまとまっていれば、それは有用なコンテンツであり、こちらへリンクしてくれるかもしれません。いずれ「authority」ページと評価されるかもしれません。初めからリンクしてもらう事だけを考えているよりも、積極的にリンクしていく事が「被リンク」を獲得する事にも繋がる可能性があるということです。
実際には評価の対象はリンクだけでは無く、サイトの構造や文章の構成を整えたり、魅力的なコンテンツを作成したりと、他にもやるべき事はたくさんあるでしょう。その中の一つとして検討してみるのは如何でしょうか。