ユーザビリティから考えると携帯サイトはタテ長かページ分割か | 携帯サイトのつくりかた【番外編01回】

By shin - 08/10/10 - このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをFC2ブックマークに追加

今回は携帯サイトのユーザビリティについて考えてみます。
携帯サイトではPCサイトとは違う特有の問題がありますが、それらを意識しながら、携帯サイトをより快適に利用して頂けるための工夫をしていきたいと思います。

 

ターゲットとなるユーザー像について考える

まず、ユーザー像をはっきりさせるところから始める必要があるかと思います。

PCでインターネットのヘビーユーザーであれば携帯サイトも随分と利用している事だろう、と誤解しやすいのですが、一般的にはPCサイトと携帯サイトではユーザー(ターゲット)が異なる事が多いと言われています。
既に広く知られるところとなっていますが、近年、携帯端末でのインターネット利用者は急増していますが、普段PCでインターネットを良く利用するユーザーが、そのまま携帯サイトのヘビーユーザーになる訳では無いそうです。これは携帯サイトのみ利用する「インターネット=携帯サイト」というユーザーが多数存在すると言い換える事が出来ます。

上記の理由から、携帯サイトではPCサイトを補完することよりも、「別の層」のターゲットを獲得することを重要視するのが良いかもしれません。もちろん携帯サイトは様々な目的で作成・利用するので一概には言えませんが、少なくとも今回のテーマであるユーザビリティ向上では、この「別の層」を優先して考えていく事にしたいと思います。

 

画面遷移について考える

私が携帯サイトを作成する際に良く悩む問題に「画面遷移をどうするか」があるのですが、今回は大きく分けて下記のどちらにしようかという事で考えてみます。

  • 【A案】ページを複数に分割し、コンテンツごとに画面遷移させる
  • 【B案】1ページに情報をまとめ、できるだけ画面遷移させない

【A案】は、携帯端末は画面サイズも小さいうえに、読み込める容量が少ないので、一つの画面で表示する内容をコンパクトに抑え、コンテンツごとに画面遷移を行って情報を伝えるべきだ。という考え方です。

【B案】は、いくらキャリアの回線速度が上がり携帯端末のスペックが向上してきたとはいえ、PCの様にスムーズに次のページには進めず、画面のロードで待たされるストレスを考えれば、画面遷移は極力押さえ1ページで多くの情報を表現するべきだ。という考え方になります。

 

多くのユーザーがそうかもしれませんが、今回のメインターゲットである「インターネット=携帯サイト」という層のユーザーも、画面をロードする際に最もストレスを感じ易いという調査結果があります。しかもこの調査結果によれば何度もロードしなければならない程、ストレスが重なるようです。そこで今回は【B案】を採用し、初回のロードが重くなることには目をつむり、携帯端末が一回で読み込める容量に気をつけながら、可能な限り1ページの内容を濃くする努力をしていく事にします。

蛇足かもしれませんが、私が【B案】を採用する際の目安として「3分で読める」というのがあります。これは漫画週刊誌などでおなじみの手法で、電車で一駅移動すのにかかる平均時間です。こうしておけば、例え地下鉄であっても停車毎に次のページを読み込みながら携帯サイトを閲覧できますし、多少長いロード時間も許容してくれそうな気がしてきます。(甘いかもしれないですが。。。)

 

画面内の構成について考える

先の項目で【B案】「1ページに情報をまとめ、できるだけ画面遷移させない」を採用したものの、縦にかなり長くなるページをスクロールだけで移動するのはかなり大変になりそうだと想像できます。そこで、各コンテンツタイトルやページTOPに向けたページ内リンクを貼って移動し易いつくりにしてみようと思います。こうすれば、画面遷移のよいところも取り込めそうです。さらに「ACCESSKEY(端末のボタンにリンクを割り当てる)」など、携帯サイト独自の機能も駆使していく事にします。

また、携帯サイトでは画面サイズが小さいので、ユーザーの目線が上から下へと半強制的に動かされる事になるのですが、その点を考慮して上部に魅力的で簡潔なコピーを配置し、「流れ」「ストーリー性」のあるコンテンツ配置を心がける必要がありそうです。

ほかに重要だと思われることでは、今回のターゲットである層のユーザーは「画面メモ」を良く利用する傾向があるということです。大抵の携帯端末ではページのタイトルが画面メモや、ブックマークに利用されますので、全ページ同じタイトルだと、後で何を保存したのか解らなくなってしまいます。もちろん保存する際にもした後でも編集は出来るでしょうが、今回のテーマはユーザビリティですし、タイトルを適切につける事はSEOの観点からも好ましいので、積極的に行っていく事にします。

 

今回のまとめ

「ターゲットとなるユーザー像」「画面遷移」「画面内の構成」と考えてきた結果、今回は「ユーザビリティを考慮すると携帯サイトはタテ長が良い」という結論に至りました。(強引でしょうか。。。)
今回は一般的な「情報を伝達するのためのサイト」を想定して考えてきましたが、フォームなどを設置したWEBアプリケーションにおいても、PCサイトと携帯サイトではユーザビリティについての考え方が大きく異なってきます。またの機会にそのあたりの内容もまとめてみたいと思います。

  • 必要な情報をまとめ、できるだけ画面遷移させない
  • もっとも重要な事は画面上部に表示する
  • 画面上部から下部へストーリー性を持たせる
  • ページ内リンクなどの操作方法を用意しておく
  • ページの内容にあったユニークなタイトルをつける

 

参考にしたサイトなど